一つ屋根の下で他人と共同生活をおくるシェアハウスは、ライフスタイルの新たな選択肢として近年注目を集めており、棟数も増加傾向にあります。引っ越す際に、一般的な賃貸ではなくシェアハウスへの入居を一度検討したことがある方も多いでしょう。
しかし、シェアハウスにはメリットが多い反面、デメリットもあります。入居する際はデメリットが自分にも当てはまるかどうか、把握しておきたいところです。
この記事では、シェアハウスに共通するデメリットや規模別のデメリットをわかりやすく紹介しているので、入居を検討している方はぜひ参考にして、自分に合ったシェアハウスを選んでみてくださいね。
全般に共通するシェアハウスのデメリット
全般に共通するデメリットとしては、住居人との価値観の違いがストレスにつながりやすいことや、プライバシーを確保しにくいといったことが挙げられます。
これらの内容は物件の規模にかかわらずシェアハウスすべてに共通するので、入居するうえでの注意点として頭に入れておきましょう。
住居人との価値観の違いがストレスにつながりやすい
価値観や考え方は人それぞれなので、住居人との価値観の違いがストレスにつながる場合があります。
一人暮らしであれば自分の価値観を押し通しても何ら問題はありません。しかし、シェアハウスでは生まれも育ちも自分とは異なる人と共同生活を送るため、自分の価値観を押し通すことがトラブルのもとになります。
価値観の押し付けによって人間関係がうまくいかないと、自分だけでなく相手もストレスを感じ、お互いに悪い状態が続くので注意が必要です。
入居する際は共同生活であることをしっかりと理解し、他人のもつ価値観に対して柔軟に対応できれば、ストレスを感じず快適に暮らしていけるでしょう。
プライバシーを確保しにくい
一人暮らしの場合は、基本的に1人で生活することから常にプライバシーが守られていますが、シェアハウスでは複数の人間が同じ家で生活しているため、一人暮らしに比べてプライバシーの確保が難しくなります。
普段は気にならなくても、疲れているときや体調の悪いときなどは共有スペースで過ごしたくないと感じることもあるでしょう。個室が用意されているとはいえ、一人暮らしと比べると自分だけの時間や空間を確保しづらいのはシェアハウスのデメリットといえます。
人と一緒にいたい・おしゃべりを楽しみたいときには共有スペースを活用し、プライベートな時間を過ごしたいときには個室を使うなど、共有スペースと個室を上手に使い分ける必要があるでしょう。
小規模シェアハウスのデメリット
小規模のシェアハウスでは、人数が少ないことから住居人どうしが深い関係を築きやすい、話し合いの際に意見を言いやすいなどのメリットがあります。
しかし小規模だからこそ、トイレやお風呂の時間が重なりやすい、交流の機会が多くない、友達を呼びにくいなどのデメリットも存在するので、入居する際は注意が必要です。
トイレやお風呂の時間が重なりやすい
規模が小さい物件は、基本的に各階に1つずつしかお風呂やトイレが設置されていないことから、住居人は5〜6人でトイレやお風呂を共有しなければなりません。
そのため、トイレやお風呂の時間が重なりやすく、使用したくてもすぐに使用できない場合があります。
お風呂に関しては、ハウスルールがしっかりと定められているシェアハウスであれば入浴時間も計画的に決められているところが多いので、心配な人はそうしたシェアハウスを選ぶとよいでしょう。
交流の機会が多くない
大規模なシェアハウスでは何らかのイベントが開催されることもありますが、小規模なシェアハウスは人数が少ないため、住居人の交流を促すイベントが少ない傾向にあります。
とくに共有スペースが狭い、ある程度のスペースが用意されているもののあまり使用されていないなどのシェアハウスでは交流の機会が生まれにくく、交流を期待している人はがっかりしてしまう可能性があります。
ただ、住居人のなかにイベントを提案する人がいれば交流の機会が増え、他の住居人と良好な関係を築けるでしょう。住民どうしで相談して企画してみるのも面白いかもしれません。
友達を呼びにくい
小規模なシェアハウスはプライバシーを重視する傾向にあるため、友達を呼びにくい場合があります。仮に友達を呼ぶのであれば、他の住居人に迷惑をかけないよう十分配慮しなければなりません。
事前申請のルールが設けられている物件が多いため、友達を呼ぶ際は事前にルールをよく確認しておきましょう。物件によっては住居人以外の立ち入りが禁止されている場合もあるため注意が必要です。
中規模シェアハウスのデメリット
中規模の場合は、共用スペースに近い部屋だと音が気になる可能性がある、苦手な人がいると快適に生活を送れないといったデメリットが存在します。
共用スペースに近い部屋だと音が気になる可能性がある
物件にもよりますが、中規模シェアハウスでは最大20人程度が生活しており、共用スペースに人が集まることも多いため、共用スペースに近い部屋だと音が気になる可能性があります。
自分は参加していなくても、共有スペースで飲み会を行っている、夜遅くまで雑談している住居人がいると、音が気になってストレスの原因になる場合もあるので注意が必要です。
快適な生活を送るためにも、入居を検討している方は入居可能な部屋と共用スペースの場所を事前に確認しておきましょう。
苦手な人がいると快適に生活を送れない
人数が多ければ多いほど、生活リズムや価値観が合わない人とともに生活を送らなければならない可能性が高まるでしょう。
快適な生活を送るためには苦手な人を作らないのが一番ですが、どうしても苦手な人がいる場合には、別の物件へ移るという選択肢もあります。
大規模シェアハウスのデメリット
大規模シェアハウスのデメリットとしては、人数が多いために住居人同士のトラブルが起こりやすい、住居人の生活音が気になりやすい、共有スペースから自室が遠い、清掃が入るまで汚れが放置される恐れがあるなどが挙げられます。
住居人同士のトラブルが起こりやすい
大規模なシェアハウスでは20人以上が生活を送っています。かかわる人数が多いため、住居人同士のトラブルが起こる可能性自体は多くなるでしょう。ただあくまでも可能性としての話で、規模が大きいからといって必ずしもトラブルが起きるわけではありません。
どうしても気になるようであれば、管理会社にトラブルが発生したときはどのように対処しているのか、以前にあったトラブルにはどのようなものがあったかなどを聞いておくとよいでしょう。
住居人の生活音が気になりやすい
人数が多ければ多いほど、他人の生活音が気になりやすくなります。とくに週末はイベントが開催されることもあり、自分が参加しない場合は音によってかなりのストレスを感じるでしょう。
また、自分とは生活リズムの異なる住居人がいれば、寝ている時間帯でも生活音が聞こえるため、何らかの対策が必要になります。
共有スペースから自室が遠い
大規模シェアハウスは、一階部分が共有スペースで二階以降が個人の部屋になっているケースが多いので、上層階に住んでいる人ほど自室が共有スペースから遠くなります。
また、家の中は基本的に階段で移動するため、上層階に自室がある人は共有スペースへ行くだけでもそれなりの時間がかかり、日々の生活にストレスを感じることがあるでしょう。
清掃が入るまで汚れが放置される恐れあり
物件にもよりますが、大規模なシェアハウスでは週に何度か専門業者が清掃に入ります。しかし、専門業者が定期的に清掃してくれることから、住居人は清掃しなくてもいいという雰囲気が出てしまう場合もあります。
また、住居人の数が多いので、ひどく汚れている場合でも汚した人を特定するのが難しく、責任逃れする人も出てくるでしょう。全員が気持ちよく日々の生活を送るためには、汚れを放置しない心がけが大切です。
まとめ
シェアハウスのデメリットは、人に寄ってはデメリットと感じない、さほど気にならない場合もあります。今回ご紹介したデメリットを確認して、自分にとってはどうかを考えてみましょう。
シェアハウスには、自分とは価値観や考え方が異なるさまざまな人が住んでいるため、全員が快適に暮らすための思いやりが大切となりますが、家賃や初期費用が安い、家具・家電を自分で用意する必要がない、交友関係が広がるなど、メリットも多数あります。
入居を検討する際には、メリットとデメリットの両面を見て決めてみてください。