引っ越しをするとなると、転出・転入届の提出以外に、いろいろな手続きをしなければなりません。とくに、ガスや水道、電気などライフラインの手続きは、余裕をもって行うことが大切です。しかし、適切な時期や、手続き方法がわからない人もいるでしょう。
そこで本記事では、ライフラインの手続きのタイミングや、手続き方法を解説します。引っ越し準備を始める前に、手続きのタイミングと流れを知って、スムーズな引っ越しを実現しましょう。
ライフラインの手続きは1ヶ月前から始めよう
電気・ガス・水道の手続きは、引っ越す日の1か月前から行うのが賢明です。いずれも手続きをしたらその日に止まる・使えるようになるものではないので、ギリギリに手続きをすると、引っ越しに間に合わないおそれがあります。
退去時の使用停止手続きは、電気・ガス・水道のいずれも、おおむね3営業日前までに手続きすれば、引っ越しに間に合います。余裕をもって手続きをするのであれば、1か月前から契約している会社に問い合わせて、手続きをするタイミングを相談しましょう。
新居の電気とガスの利用開始手続きは、引っ越す日の1か月前から1週間前までに済ませておいてください。新居の水道は、入居後に手続きするのが一般的です。
3月・4月など、全国的に引っ越しが増える時期は、手続きを行って処理が完了するまでに、時間がかかることが少なくありません。当然、問い合わせの電話もつながりにくくなります。
手続きが間に合わないと、退居後も水道光熱費が発生するおそれがあるだけでなく、新居で電気・ガスが使えず不便な思いをすることになるので、引っ越しが決まったタイミングで早めに契約会社に相談しましょう。
電気の手続き方法
ここからは、電気の利用停止・開始手続き方法を解説します。電気の利用停止・開始手続きに、事務手数料などは必要ありません。引っ越す日までの料金は、日割りで計算される会社が多いです。
利用停止手続きをする際は、次のものを準備して、停止を希望する日付を契約会社に伝えてください。
~電気の手続きに必要なもの~
・検針票(契約者の氏名、お客様番号、供給地点特定番号がわかるもの)
・退居する場所の住所がわかるもの
・支払情報がわかるもの
利用停止手続きが済んだら、新居での利用開始手続きを行ないます。新居の電気利用開始手続きは、契約する会社に次のことを伝えるだけです。
~電気の利用開始手続きで伝えること~
・利用開始を希望する日付
・新居の住所
・希望の料金プラン
最近は、各電力会社がさまざまなプランを提供していますので、自分のライフスタイルに合ったプランで契約してください。いくつかのプランを比較すると、自分に合ったプランが見つかりやすいでしょう。
電気の利用停止・開始手続きに、立ち合いは必要ないことがほとんどです。電力会社に前もって申し込んでおけば、引っ越したその日に新居で電気が使えます。
また、全国的に引っ越しが増えるシーズンは、電話がつながりにくくなります。ウェブサイトから手続きできるのであれば、そちらを利用するのがおすすめです。
新電力へ切り替える場合の手続き
電力の小売全面自由化にともない、最近は「新電力」への切り替えも広く行われています。新電力は、電力事業に新規参入した会社で、一般送配電事業者(各地域の電力会社10社)から電力を購入し、利用者に販売しています。
新電力の多くは自社で発電設備を持っていないため、発電設備のメンテナンスや維持に必要なコストがかかりません。その分、旧電力会社より安く電力を供給することができるため、光熱費を抑えたい人におすすめです。
しかし、なかには「電力を購入して販売している」と聞くと、安定して供給されるか不安に感じる人もいるでしょう。基本的に、新電力に切り替えたからといって、電力が安定供給されにくくなることはありません。
なぜなら、新電力に電力を販売している会社は、政府の許可を受けた発電設備を持つ一般送配電事業者だからです。発電設備や送配電ネットワークは、発電設備を持つ一般送配電事業者のものなので、電気の品質や停電のリスクなどは変わりません。
引っ越しを機に新電力に切り替える際の手続きは、ウェブから行ないます。利用したい新電力の会社の公式サイトなどで必要事項を入力し、利用開始を申し込むだけです。
スマートメーターの取り付けが必要な会社もありますが、電力会社が対応するため、利用する人が立ち会う必要はありません。
ガスの手続き方法
ガスの利用停止・開始手続きは、電話またはウェブサイトから行いましょう。ガスの利用停止に必要なものは、次の4つです。
~ガスの利用停止に必要なもの~
・検針票(契約者の氏名、お客様番号などがわかるもの)
・ガスの利用を停止したい場所の住所
・支払情報
これらを手元に準備して、電話またはウェブサイトからガス会社に連絡してください。新居でガスの利用開始手続きをする際は、電話またはウェブサイトから次のことを連絡しましょう。
・新居の住所がわかるもの
・開始希望日
・希望の料金プラン
基本的に旧居での利用料金は、電気料金と同じく日割りで計算されます。引っ越し前日、あるいは当日までに手続きを完了させるためにも、引っ越しが決まった段階でガス会社に問い合わせるのがおすすめです。
ガスの開栓は立ち合い必須
ガスを利用開始する際、ガスの開栓には立ち合いが必要です。利用開始日の都合のよい時間帯で立ち合うことになるので、事前に都合をつけておきましょう。
引っ越したその日からガスを利用したい場合は、役所での手続きや引っ越し作業を別の日にするなど、利用開始希望日に確実に家にいられるような段取りが大切です。
ガス栓を開けるときは、専門の資格を持った人が、使用者に使用方法や安全のための注意事項を説明しなければならないと法律で決められています。
本人の立ち合いがどうしても難しい場合は、家族や友人、賃貸物件の場合は大家さんに代わりに立ち会ってもらうことも可能です。ほかの人に代わってもらう場合は、開栓作業者から説明された使用方法や注意事項をもれなく伝えてもらいましょう。
水道の手続き方法
水道の利用停止・開始の申し込みは、自治体によって方法が異なります。まずは住んでいる・これから住む自治体の水道局などのウェブサイトをチェックして、手続きの流れを把握しましょう。
自治体によっては、電話や書面だけでなく、メールやウェブサイトのフォーム、LINEで手続きができることもあります。3月・4月の引っ越しシーズンは電話が混み合うことも多いので、そのほかの方法で手続きをするとスムーズです。
水道の利用停止手続きは、手元に次のものを準備したうえで、利用停止希望日を伝えてください。
~水道の利用停止手続きに必要なもの~
・検針票(契約者の氏名、お客様番号などがわかるもの)
・水道を止めたい場所の住所がわかるもの
・支払情報
利用開始手続きは、新居に届いている申し込み用紙で行います。必要事項を記入して、指定の方法で自治体に届ければ完了です。賃貸物件の場合、水道は申し込まなくても使えることがほとんどです。
しかし、利用開始手続きを行わないと支払方法が指定できません。支払方法を指定しないまま使い続けていると、料金未納で水道が止まってしまうおそれがあります。新居に引っ越したら、なるべく早く水道の利用開始手続きを行いましょう。
まとめ
引っ越すとなると、役所での手続きや荷造りに追われて、ライフラインの手続きが後回しになるケースは少なくありません。ギリギリになって行うと手続きが間に合わないおそれがあるので、早めに手続きを済ませてしまいましょう。
ライフラインの手続きタイミングの目安は、次のとおりです。
・利用停止手続きのタイミング:電気・ガス・水道ともに1か月~3日前まで
・利用開始手続きのタイミング:電気・ガスは引っ越す日の1か月~1週間前、水道は引っ越し後
引っ越しが増える3月・4月は手続きが混み合うので、ゆとりをもって手続きを行ないましょう。もしライフラインの利用停止・開始手続きをするのが面倒なら、管理人が常駐しているシェアハウスに住むのもおすすめです。
管理人常駐のシェアハウスなら、面倒なライフラインの手続きをすることなく、引っ越したその日から電気・ガス・水道が使えます。引っ越しにともなうさまざまな手続きの手間を少しでも省きたい人は、ぜひシェアハウスの利用も検討してみてください。