これから一人暮らしをスタートさせるときは、わくわくした気持ちを抱くことが多いのではないでしょうか。それと同時に、不安も感じる方は少なくないでしょう。
不安のなかには、一人暮らしにかかる費用への懸念も含まれます。とくに、食費は毎月発生する変動費のため、気にかかりやすい項目です。
本記事では、社会人の一人暮らしでかかる食費の平均額を紹介します。さらに食費を抑える節約方法をはじめ、自炊を続けられるような工夫もお伝えしますので、今後の参考としてお役立てください。
社会人一人暮らしの食費の平均額
一人暮らしには、何かと費用がかかります。家賃などの固定費はイメージがつきやすいかもしれませんが、初めて一人暮らしをする場合、どれくらい食費がかかるのかが不透明でしょう。
一般的に、社会人の一人暮らしにかかる毎月の食費は、4万円前後です。年齢や性別によって多少の変動はありますが、大体月に3〜5万円かかると予想すると、自分の暮らしも見えやすいでしょう。
総務省統計局による2019年の「家計調査」では、34歳までの社会人が使う食費の月平均は男性が47,553円、女性が39,055円でした 。社会人になると、学生とは異なり食費が増える傾向があります。
普段の食事をお弁当や外食で済ませる場合もありますが、仕事の付き合いでの外食が増えることも視野にいれたほうがよいでしょう。
理想の食費はいくら?
一人暮らしの食費にかける理想は、収入の10〜15%です。たとえば、20万円の収入だとしたら3万円前後が理想的といえます。30万円の収入があるとすれば、約4万5,000円が理想の食費です 。
理想の食費は年齢や性別によって、大きく異なる場合があります。さらに個人の食事量やライフスタイルで食費は変動するので、一人暮らしにかける的確な食費は、一概にはいえません。
しかし、収入の10〜15%を目安にすることで、今後の食費のかけ方の基準がわかりやすくなるはずです。社会人の一人暮らしで「節約をしながら食事を楽しみたい」という人は、収入の10〜15%を基準に食費の予算を決めてもよいかもしれません。
食費を抑える節約術
食費を抑えたいものの、具体的な方法がわからずに悩む方は多いです。食費を抑えるためには「食べない」という選択肢もとる人もいますが、健康を害してしまうおそれがあります。日々の健康を維持しながら、食費を節約する方法を紹介します。
毎月の食費を決める
まず、食費を節約するには、毎月の予算を決めることです。一人暮らしの食費にかける理想は収入の10〜15%という基準から、毎月の食費を組み立てましょう。
食費の予算を決めるのと決めないのでは、節約に大きな差が開きます。予算を可視化することで、無駄な買い物を避けられるので、食費をコントロールしやすくなるのです。
あらかじめ毎月にかけられる食費がわかるため、給料日前も調整しやすく、お金の使いすぎを防げます。予算を把握するために、買い物をしたら家計簿をつけましょう。
買い物にいく回数を減らす
食費の節約は、必要なもの以外はなるべく買わないようにするのが一番です。そのためにも、買い物に行く回数を減らすのはとても効果があります。
こまめに買い物にでかけてしまうと、ついつい余計なものに目が留まってしまい、散財するケースがとても多いです。とくに、コンビニに行く習慣がある方は要注意です。
ことあるごとにコンビニに立ち寄ってしまうと、1か月のトータルで見たときに、食費がかさんでしまうことがあります。頻繁にスーパーやコンビニに立ち寄らなくて住むように、ネットスーパーの利用や、スーパーでまとめ買いするなどの対策を練るとよいかもしれません。
作り置きをする
食費を抑えるには、作り置きするのも効果があります。基本は自炊し、作り置きを心がけることで、大幅な節約につながるでしょう。作り置きをすることで、帰宅後すぐに夕飯を取ることも可能です。
仕事終わりは疲れてしまい、料理をする時間も気力もないという人は多く、コンビニやスーパーに立ち寄ってしまいます。あらかじめ作り置きを用意しておくことで、電子レンジで温めればすぐに食事が取れる状態にできるので、無駄な買い物をせずに済むでしょう。
冷凍庫を活用する
食事の作り置きは、1週間分まとめて調理するのがよいでしょう。そんなときは、冷凍庫が役立ちます。仕事が休みのときに、1週間分の食事をまとめて作り置きにしたものを冷凍庫で保存すれば、いつでも新鮮な食事を楽しめるはずです。
作り置きはとても大変に思えるかもしれませんが、最近では簡単な作り置きレシピも多く紹介されています。自分が好きな食事を冷凍保存できるので、食事の楽しみもつくりだせるはずです。さらに冷凍保存した食事は、夕飯だけでなく、お弁当にも活用できるのもうれしいポイントです。
自炊は続かない?
自炊は、食費の節約に大きく影響します。基本的には自炊を意識することで、食費を月々の予算内に抑えられるでしょう。
ところが、今まで自炊をしてこなかった人は、続けるのが一苦労かもしれません。自炊を続けられるポイントを紹介しますので、楽しんで食費を節約していきましょう。
手間のかからない料理を作る
自炊を習慣化するための前提は、手間がかからない料理です。自炊を続けられなくなる最大の原因は「面倒だ」という気持ちが先立ってしまうことです。
自炊を諦めてしまう人の大半は、最初に難しく考えてしまったり、手の込んだ料理を作り続けてしまったりと、調理へのハードルを上げすぎてしまっています。とくに自炊をしたての人は、はじめから手の込んだ料理をつくるのではなく、簡単に作れる料理からスタートしてみましょう。
手の込んだ料理は、自炊に慣れて「料理が楽しい」と思えるようになってから手をつけるとよいかもしれません。また、手間のかかる料理は失敗しやすいものが多いです。モチベーションを維持するためにも、まずは失敗しにくい料理をおいしく作ってみましょう。
たまには外食する
自炊を続けるためには、たまに外食するのもおすすめです。自炊を諦めてしまう原因のなかには、ストイックに食費を節約しすぎて疲れてしまったケースもたくさんあります。
ストイックに節約するのはよいことですが、自分の気持ちが疲れてしまっては意味がありません。「仕事で疲れていた」「忙しくて気分が乗らない」という場合は、無理をせず外食してみましょう。
外食でおいしい食事を味わえば、ストレス発散にもなります。場合によっては「同じような料理を作ってみたい」と自炊へのやる気を起こすこともあるでしょう。なお、外食をする場合は、食費とは別の予算を立てておくことをおすすめします。
まとめて作り置きをしておく
自炊を続けていくためにも、作り置きは役立ちます。仕事が終わって、自宅に帰るたびに自炊をしなくてはならなくなると、疲れからモチベーションが下がってしまう場合が多いです。
また、疲れているときに「家に食べ物がない」「すぐに食べられない」という状況があると、余分な買い物が増えるほか、外食も多くなりがちです。できるだけ自分にラクをさせる意味でも、冷凍庫に作り置きを常備しておくと無理のない自炊が実現します。
作り置きをする場合は、仕事がお休みの日がおすすめです。なるべく精神的に余裕のある休日に作り置きをし、楽しみながら自炊してみましょう。
まとめ
社会人の一人暮らしでは、食費や食事も自分で管理しなければなりません。一般的には、月に無理なくかけられる食費は、収入の10〜15%と言われています。
食費の予算を決める場合は、収入の10〜15%を基準にし、自分に合った節約を行いましょう。食費を節約するのに一番効果があるのは、自炊です。これまで料理をした経験のない人は、一人暮らしを機に挑戦してみるとよいでしょう。
ただ、自炊は続けることで食費の節約につながります。自炊を続けるには、自分自身が料理や節約を楽しむことが大切です。
食費の節約に力を入れたい場合は、シェアハウスへの入居もおすすめです。シェアハウスで同居人たちと自炊をすれば、楽しんで料理をつくることもできるでしょう。