家具・家電付きの物件は、単身赴任の人や学生など短期で引っ越すことが決まっている人に人気があります。家財を処分したり買いそろえたりする手間が最小限でよいため、引っ越しにかかる費用を抑えられるからです。
以前は家具・家電付きの物件というと、マンスリーマンションやアパートなどの賃貸物件が主流でしたが、最近は家具・家電付きのシェアハウスも登場して注目を集めています。
本記事では、家具・家電付き物件への引っ越しを検討している人なら知っておくと役に立つ、家具・家電付きの物件のメリットや注意点を解説します。
家具・家電付きの物件とは
部屋にあらかじめ、家具や家電などの備品が備え付けられている物件を指します。テーブルやベッドなどの大型家具はもちろん、テレビやエアコン、冷蔵庫などの生活に必要な家電も備え付けられているため、単身赴任をする人や学生に人気です。
物件によって備え付けの設備は異なるので、入居を希望する場合は必ず事前に不動産会社に確認してください。できるだけ、自分にとって不要な備品の付いていない物件を選ぶと、快適に暮らせます。
家具・家電付き物件のメリット
家具・家電付きの物件に住むメリットは、主に2つです。詳しくみていきましょう。
初期費用を抑えられる
家具・家電付きの物件に住むメリットのひとつは、新生活を始める初期費用を抑えられることです。引っ越しをする際には、主に次の費用が掛かります。
・家財道具の運搬費用
・家財道具の購入費用
・新居の敷金・礼金
・不動産会社に支払う仲介手数料
・前家賃
・火災保険料
・家賃保証会社に支払う保証料
・新居の鍵交換費用
最近は敷金・礼金が不要の物件もありますが、そのような物件は退去時に修繕費やハウスクリーニング費用を請求されることが多いです。
その点、家具・家電付きの物件なら、家財道具の運搬費用と購入費用を節約できます。荷物の量によっては、引っ越し業者を手配することなく、自家用車やレンタルの軽トラックでの引っ越しも可能です。
少しでも引っ越しの初期費用を抑えたい人にとって、家具・家電付きの物件はとてもよい選択肢と言えます。
家具・家電を揃える必要がない
家具・家電が付いていない部屋に引っ越すとなると、新生活をスタートするためにさまざまなものを買いそろえなければなりません。
最近は安い家具や家電も市販されていますが、安いものは機能が不十分なケースも多く、頑丈さに欠けるなどといった問題も珍しくないので、できれば避けたいと思っている人もいるでしょう。また、大型の家財道具を購入する際は、設置場所の寸法を測る手間もかかります。
しかし、家具・家電付きの物件なら、すでに家財設備が設置されているので、寸法を測ったり買いに行ったりする手間が省けます。入居当日からすぐに利用できるので、入居したその日から快適な新生活が始められるのがこうした物件のメリットです。
家具・家電を処分する費用がかからない
運搬料を節約して引っ越そうとすると、家財を処分する必要が出てきます。家具や家電は粗大ごみとして回収を依頼したり、処分にリサイクル券が必要だったりすることがあり、処分するにも費用がかかることが珍しくありません。
また、地域によっては、一度に回収してもらえる粗大ごみの数が決められているため、すべて処分するのに時間がかかることもあります。 しかし、家具・家電付きの物件に住むのであれば、引っ越す際に処分する手間がかかりません。衣服や小さな家財道具など、身の回りのものだけを持って気軽に引っ越せるのは、こうした物件の大きなメリットです。
とくに、頻繁に引っ越す人や、短期間だけその物件で暮らす人にとって、入居・退去時にかかる費用と手間を省けるのは、家具・家電付き物件ならではの魅力といえるでしょう。
家具・家電付き物件に住む際の注意点
とても魅力的な家具・家電付き物件ですが、住む場合はいくつか注意しておきたいことがあります。家具・家電付き物件への引っ越しを考えている人は、物件を決める前に次のことを押さえておきましょう。
短期間であればお得
家具・家電付き物件は、一般的な物件に比べると家賃が2~3割程度割高に設定されていることが珍しくありません。引っ越しにかかる初期費用は抑えられますが、長期間住むとなると、住まいにかかるトータルコストが高くなることがあるでしょう。
1週間だけ、あるいは1か月だけなど、その物件に住む期間が決まっている場合はお得です。しかし、次の転居が未定のときや、数年間その部屋で暮らす予定であれば、割高になる可能性が高いので注意してください。
とくに会社都合で入居期間が決まる単身赴任の人は、赴任期間をはっきりさせたうえで入居を決めるのがおすすめです。
一般的に、家具・家電付きの物件でお得に暮らせるのは1年目までと言われており、単身赴任が長期に渡る場合、あるいは終了未定の場合は、家具・家電付きのシェアハウスや通常の物件も検討してみましょう。
家具・家電は撤去できない
家具・家電付きの物件は、基本的に備え付けの設備が撤去できません。カーテンの色の変更や、大きなテレビへの買い換えなど、模様替えをしたくなっても買い換えることができない点に注意しましょう。
とくに、インテリアや家電機能にこだわる場合、備え付けの家財設備に満足できないことがあります。「毎日帰ってくる家だからこそ、こだわりの詰まった自分にとって快適な空間にしたい」という人は、家具・家電が付いていない物件の方がおすすめです。
家具・家電付きの物件の場合、レイアウトが変えられない点にも注意しましょう。仮に変えられる場合でも、退去時は元の位置に戻す必要があります。
使わない設備を撤去したり移動したりすることは基本的にできないので、入居する場合は何がどこに設置されているか、しっかり確認することが重要です。
故障した場合の対応
家財道具を使っていれば、当然故障することがあります。家具・家電付きの物件に入居するときは、故障した際の対応をあらかじめしっかり確認しておきましょう。確認すべきポイントは以下のとおりです。
・修理や交換費用は誰が負担するのか
・故障した場合の連絡先
家具・家電付きの物件に備え付けのものは、基本的に誰かが使ったことのある中古品です。新品に比べ、壊れやすいのは否めません。人によっては、自分の前に誰かが使っていたという点が気になることもあるでしょう。
入居する際は、事前に備品が壊れていないかチェックし、入居時に写真を撮っておきましょう。写真を撮っておくと、後からどこがいつ故障したのか説明しやすくなります。
まとめ
家具・家電付きの物件には、メリットもデメリットもあります。主なメリットは次の3つです。
・引っ越しの初期費用が抑えられる
・家財道具を購入する費用・手間が省ける
・引っ越す際に家財道具を処分する費用・手間が省ける
しかし、次のようなデメリットもあります。
・長期的に住むとなると、家具・家電なしの物件に住むよりコストがかかることが多い
・不要であっても、備品を撤去できない
・入居のタイミングで備品が故障していることがある
デメリットをクリアしながら家具・家電付き物件に住みたい場合は、シェアハウスを選ぶのもおすすめです。
シェアハウスは原則、共有部には全員でシェアする家具家電系は揃っていることが多く、不要な備品は撤去できる可能性があります。ただ撤去する場合は、物件に倉庫があるかどうか等で対応が異なるため、気になる方は一度問い合わせするといいでしょう。
また、備品があまりにも古かったり汚い場合は、入居前の内覧時などで相談すれば交換してくれる可能性もあります。
最近は光熱費が固定の家具・家電付きシェアハウスも登場しています。家具・家電付きの物件への引っ越しを検討している人は、ぜひシェアハウスも候補に入れてみてください。